日本電産の永守重信社長の問題発言に対する反論を行っているが…

日本電産オフィシャルサイトにて、「休みたいならやめればいい」という発言をしたということに対しての反論が掲載されました。

そこには次のように記載されています。

『4月23日の決算発表記者会見において、弊社社長永守が「休みたいならやめればいい」と発言したかのような記事が掲載されましたが、そのような事実はなく、誠に遺憾に思っております。』(日本電産オフィシャルサイトより)

一方、問題となった朝日新聞の記事は次のように記載されています。

『「休みたいならやめればいい」――。日本電産の永守重信社長は23日、記者会見で「社員全員が休日返上で働く企業だから成長できるし給料も上がる。たっぷり休んで、結果的に会社が傾いて人員整理するのでは意味がない」と持論を展開。10年間で売上高が6倍超という成長の原動力が社員の「ハードワーク」にあることを強調した。』(asahi.comより)

上記をよく読むと、少なくともこの文章には「休みたいならやめればいい」という発言を永守重信社長がしたとは書いてありません。ただ、表題風に、しかも鍵括弧で囲っているから、永守重信社長が発言したと思われてしまうように、意図的にやったものと思われます。

これを確証が持てないまま他の人が捉えると、次のようになってしまいます。

『2008年4月23日の3月期決算発表にて、代表取締役社長は「社員全員が休日返上で働く企業だから成長できるし給料も上がる。たっぷり休んで、結果的に会社が傾いて人員整理するのでは意味がない」と述べたうえで「休みたいならやめればいい」[1]と持論を展開し、同社の成長の原動力が従業員の「ハードワーク」にあると説明している。 』(wikipedia「日本電産」より)

朝日新聞の記事ではどの段階で発言したかも述べていないのに、なぜか、社員全員が云々の後に休みたいなら云々と発言したことになっています。

既に『日本電産の永守重信社長の「休みたいなら辞めろ」発言を考える』でも同様の疑問点を述べましたが、社員全員が云々の発言はなんらおかしくない発言です。それを強引に悪者に仕立てようとして、さも社長が発言したかのように記事化したことに憤りを感じます。

でも、朝日新聞だから、という一言で、この問題が解決してしまうのも世の常だったりしますが。

ただ、もし仮に、5月1日のメーデーでこの発言を再び取り出し、労働者の権利を、とか言いだすようですと、また厄介かと。権利とか言う前に読解力をつけようというレベルの話なのですが…。

まあ、何かしらおかしなものがあった時は、出来ればオリジナルの情報に当たることをお勧めします。

今回の件ですと、本来なら日本電産の社長の当日の発言を自らが聞けたり、その録音などが公開されていればなんら問題なかったのですが、残念ながらそれがない以上、朝日新聞の記事から類推するしかありません。ですが、記事を書く側からしても、言い逃れのできる部分を残すために記事化するため、どこかしらに違和感が発生します。

今回は「休みたいならやめればいい」を社長本人が発言したのかを明記していない点が違和感に当たるでしょう。