日本電産 永守イズムの挑戦(著:日本経済新聞社)

「日本電産 永守イズムの挑戦」(著:日本経済新聞社)を読みました。

日本電産といえば、2008年4月に行われたメーデーでその社長である永守重信の発言が槍玉に挙げられたのが記憶に新しいかと思います。

当サイトでも『日本電産の永守重信社長の「休みたいなら辞めろ」発言を考える』『日本電産の永守重信社長の問題発言に対する反論を行っているが… 』の2回にわたって紹介しました。

そうした中、本屋で同書を発見し、購入したわけです。

内容としては、三協精機製作所のM&Aと、その再建に関しての話と、あとは普通に永守重信社長の今までの経歴や、その時々に発する発言、行動等をまとめたものとなっています。

やはり一代で一部上場企業を作り上げ、企業としての規模も大きくなり、また、他の倒れかけた企業を買収し、再建した人物であるだけに、発言、行動には目を見張るものがあります。

とりわけ、母の教えとして「人の二倍働いて成功しないことはない。倍働け」という発言を実行している点に注目をしたいと思います。そうしたことを行い、成功を収めてきた人物だからこそ、先のメーデーで問題となったといわれる「休みたいなら辞めろ」といったニュアンスの発言も生きてくるのでしょう。

また、そうした人物にしたがって、日本電産および関連企業を盛り上げてきた各社員としても、ある種当たり前のことだと認識できているのではないでしょうか。

もちろん、途中からトップが代わり、急に労働時間が増えて文句を言う人もいるかと思います。ですが、そういった人は、基本的に今まで会社で本当に役に立ってきたのか微妙な人物であることが多く。

少なくとも、今現在、日本電産グループに残っている社員であれば、働くことの重要性を理解し、人より多く働くことの意義をそれぞれが見出しているのではと思われます。

こういった人物が社長である会社の社員は、うらやましくも思います。

もっとも、私がこのような状況に身を置いた際に取る行動は、「休みたいから辞めます」になると思いますが。

他にも、3S6Qといわれる指標が有名です。

3Sとは「Quality Worker」「Quality Company」「Quality Products」の3つで「良い社員」「良い会社」「良い製品」を指します。

また、6Sは「整理」「整頓」「清潔」「清掃」「作法」「躾」とのこと。

5Sは一般に知られているようなのですが、その5Sに「作法」を加えたのが日本電産の指標となります。

人によっては、仕事に直接関係ないのでは、と異議を唱える人もいるかと思いますが、実際にこれらを実行し、しっかりチェック体制を整えたことで、社員の意識が改革され、結果に結びついているとのことです。

これらのように、さまざまな形で参考になる話も載っていますので、一度読み進めてみると良いかと思います。読めば、先の朝日新聞の記事が馬鹿馬鹿しく思えてくるでしょう。