ぼく、オタリーマン。3(著:よしたに)

「ぼく、オタリーマン。3」(著:よしたに)を読みました。

1作目から読んでいるのですが、実は全2作分は正直面白いとは思いませんでした。

そもそも、「オタリーマン」とか言っておきながら、オタク臭さは少なく、どちらかというと単なるシステムエンジニア関連の話と、人と接するのが苦手な感じがする普通の人という話が多く。時折オタクっぽい話が出るものの、他の著作物の話ということもあり、あまり表だったものがなかったのも理由です。

ただ、今作はかなりの良作と言えるのではないでしょうか。

比較的オタクっぽい話もあり、他の著作物のキャラクターもそれらしく描かれていたりします。

また、1ページ漫画と話が続いている漫画の割合についてですが、今回は後者が多くなっているようで、漫画としても面白みが増しています。

個人的に興味深かった話は、出版に至るまでの話です。

個人が運営する絵日記ブログの集まりで編集者と知り合い、出版までこぎつけたとのことですが、この編集者は漫画とは無関係の担当をしていたそうです。ですが、こうして漫画の本を出し、しかもシリーズで65万部以上の成果をあげたという。

この本が売れた理由の一つに、タイトルの良さが挙げられますが、このタイトルをつけたのも、この編集者とのことです。

当然、この編集者の腕の良さが光りますが、一方、絵日記ブログの集まりに出向いてチャンスを得た著者本人の行動力にも目を向けるべきでしょう。自ら行動したからこそ、こうした機会を得て、結果も残せた。

単なる漫画ではあるものの、今作に関してはいろいろと考えさせられた、そんな漫画です。