オレにあやまれ!! 史上最悪暴言DV夫との涙の7年間(著:杉野BEAT)

「オレにあやまれ!! 史上最悪暴言DV夫との涙の7年間」(著:杉野BEAT)を読みました。

ドメスティックバイオレンスに悩む著者の奮戦記といったところでしょうか。コミックエッセイです。

著者の場合は、DVといっても暴力面は薄く、どちらかというと言葉の暴力による被害のようです。

些細なことで文句を言われ、そして謝れと言ってくるようで。

夫は仕事もでき、大きな家の長男として育ちお金の苦労もなく、体育会系の人物。

一方、被害にあっている妻のほうは学歴も低くバツ一の子持ちで再婚といったところです。

妻はいろいろと負い目もあるからか、夫に言われてもなかなか反論できず。反論すると、さらに罵倒を受けるといった状況です。

詳しくは読んでもらえばわかりますが、まあ、こういった夫が世の中にいるのはよくわかる感じです。特に生まれが良く、わがままが通ってきたような人物の場合、その傾向は顕著でしょう。

自分の要求は大きく、他への献身は乏しい。こうした人の典型例が、この夫と言えます。

妻の親が死に目に会っているのに、無関心であったり、そもそも、自身の親が病気になっても見舞いにも行かず。仕事人間だからなのかもしれませんが、どこか違和感のある人物です。

そうした夫の言葉の暴力を受け続ける中、育児仲間の知人に送ったFAXのイラストが知人に褒められ、マンガ家を目指すことに。マンガ家を目指しても夫からはさほど認められず、家事もこなしつつマンガも作成。

そして最終的には、このようにマンガ本を出せるような状況になりました。

オチとしては、別居する形で終わっていますが、まだ別居という段階でしかないため、今後どうなるのか、続巻などで話が出てくればと思います。

本の中では夫が悪人になっていますが、一部だけ理解したいところもあり。東京まで往復か片道かは不明ですが1時間30分の通勤時間がかかるため、東京に引っ越ししたいという話になり。これを妻は拒むのですが、夫の気持ちになれば、毎日これだけの無駄な時間を費やすのはやはりつらいところです。ほかに事情があって、最終的には引っ越しが好ましくないという結論になっていますが、初期から否定したのは、理解不足のように感じます。自分が引っ越したくない、子供に引っ越しさせたくないというのは自身側のみの都合の押し付けでしかなく。最終的に、子供の小学校卒業まで引っ越さなかっただけでも、夫の妥協に感謝すべきかと。

と、これくらいしか夫の援護はできませんが。

あと、なぜか1枚だけ著者とその子供と思われる顔写真が使われており。内容が内容なだけに、使うべきではなかったのでは。そもそも、ほか全てがマンガ形式なのに、1枚だけ写真を使う必要性が乏しく感じます。

長く書きましたが、いろいろと考えさせられる本でした。

世の中の女性は、このような男性に引っかからないように頑張っていただけたらと思います。