波乱の時代 特別版 サブプライム問題を語る(著:アラン・グリーンスパン)

「波乱の時代 特別版 サブプライム問題を語る」(著:アラン・グリーンスパン)を読みました。

これは、過去に発売された「波乱の時代」ののちの出来事を語っている本で、ページ数は60ページ程度と短い内容となっています。

「波乱の時代」では、FRB議長を務め終えたことから発行されましたが、その後のアメリカ経済であったり世界経済の変動を踏まえ、ペーパーバック版で追加された内容を、その部分だけ抜き取って書籍化しています。

ペーパーバック版とは、本の安価版ととらえていただければよいかと思います。日本でも、先にハードカバーで発売され、その後文庫で安くなって発売されますが、感覚としては同じようなものです。文庫版に追記があると思っていただければよいでしょう。

書かれている内容としては、副題にもなっているサブプライム問題に関してですが、それだけではなく、本著を書き終えたとされる2008年中盤までの経済の状況であったり、今後の見通しであったりと、回顧録にとどまらない内容となっています。

このため、現在、そして将来を見据える上でも、一読する価値はあるでしょう。

ただ、一読する価値があると言っても、この手の話に関する知識がまったくない人からすると、そもそも書かれている内容がなんなのかすら理解できないと思います。

ある程度金融に関する知識であったり、アメリカ経済の現状などを理解し、株式投資などをしている方が読まれるとよいかと思われます。

ちなみに、元となっている「波乱の時代」の上下巻は、それぞれ400ページとなっているようで、読むのが大変そうです。ですが、やはり一時代を担ってきた人物による書物であるため、機会があれば読んでみたいところではあります。