起業のワナ(著:渡辺仁)

「起業のワナ 脱サラ社長がはまる7つの落とし穴」(著:渡辺仁)を読みました。

7つの落とし穴とありますが、あまりこの数字には意味がありません。本の題名などによくつかわれるだけの「7つ」です。

人が把握できるのは7つまで、という研究によって出てきた数字だったりします。ちなみに、この数字は4つであるとも言われることがありますが、人はなぜか7という数字に魅力を感じるようで。特に、日本人だと「4」は「死」をイメージしてしまうため、「7」の方が良いのかもしれません。

さて、内容はタイトルから読み取れるように、起業で失敗するパターンを書いています。著者の取材を元に実際の失敗例をあげ、なぜそうした失敗をしたのか、簡単にまとめる形式で話が進みます。

読み進めていくと、起業そのものについて語るより、実際の事象を元に、語りたい内容があったためと思えます。

具体的には、クレイフィッシュと光通信の件、亀井敏の調剤薬局のラゴラのフランチャイズ詐欺のこと。特に、後者を語りたかったのかな、と。

具体的内容は本書を読んでいただくとして、この人物の話を失敗として語っているのはどうかと思います。この人物は詐欺的な活動をしたものの、実際にお金を手元に残して自己破産や倒産をしているため、当人の本来の目的は達しているのではと思うからです。ある意味、成功であるのではないでしょうか。

もっとも、その成功を他者が真似すべきではありませんし、手放しで褒める気もありませんが。

とりあえず、起業をしよう、と考えている人は一読しておくべき本かと思います。特に、安易に考えている人はなおさらです。フランチャイズであったり、飲食店であったり、また、主婦起業とか、サラリーマン独立起業とか。この手の人はぜひ読んでおきましょう。