どーすんの?私(著:細川貂々)

「どーすんの?私」(著:細川貂々)を読みました。

過去に紹介した『その後のツレがうつになりまして。」(著:細川貂々) 』と同じ著者です。この「ツレがうつになりまして。」シリーズはかなり売れた本ですので、ご存じの方も多いかと思います。

その著者の高校卒業近辺から、漫画家を目指すきっかけになるであろう芸術関連の学校への進学までの道を描いたエッセイ漫画です。

こう書くと、高校卒業近くから漫画家を目指していたように感じるかもしれませんが実態はまったく違います。

ニートの状態からアルバイトで仕事をするも長く続かず、正社員になっても社内の関係で満足に働かずといった、典型的なダメ人間の様子を描いています。

さて、この漫画、個人的にはかなりの名作だと思います。

まず、女性の性格の悪さや、考えの浅はかさがものの見事の掲載されている点です。これは、著者が、というよりかは、登場している人たちがどうにもこうにもな状態で。ただ、女性とは、こういった人種なのだとしみじみ感じられる、そういう本です。

また、ニートからアルバイトや社員になる経過も書いてあるため、現在ニートで何をやっていいのかわからない人が、何かしらを気づくきっかけになるのではとも思います。

特に「何をしたらいいのかわからないんです」という著者の問いかけに対して、職業安定所の面接員が述べた「何の仕事をしていいのかわからなければ、これだけはゆずれないポイントをみつけてみなさい。たとえばお給料はいくら以上ないとダメとか、お休みは絶対土日じゃないとイヤとか」。

この発言は、今現在、ニートやフリーターの立場から身動きの取れない人にとって、よい指標となりうるのではないでしょうか。

他には、現状に愚痴だけを言う女性陣の姿などを見ると、涙が止まりません。結婚出来ればなんとかなるという考え自体もどうかと思います。だいたい、まともな男性はまともな女性を望むわけで、こういった愚痴とかを言って何も行動を起こさない人を結婚対象にするとは思えないのです。

昔、新聞で30歳を超えた人のインタビュー記事か何かで、相手男性を高望みしているのに、自分は大した稼ぎをしていない人が、一生懸命結婚相談所にお金を落としている話を見ました。たぶん、将来はこうなる人が多いのでしょう、と、本を読んで感じました。

本来は著者も、場合によってはこの他の女性たちと変わらない状況になったかもしれないのですが、やはり絵を描く、ということを捨てられず、会社を辞めて専門学校に通い、最終的には作家として成功したわけです。

とりあえず、やってみることの重要性がこの本から読み取れるのではないでしょうか。

単なるギャグエッセイとして捉えずに、職を見つける、やりたいことを考える、仕事とはなんなのか、など、目的意識を持って読むと良書になると思います。ニート、フリーターを中心に、また、女性の考え方を知りたい男性などにもお勧めできる本でしょう。エッセイ漫画なので、気楽に読めるのもポイントです。