踊る産科女医(著:吉川景都)

「踊る産科女医」(著:吉川景都)を読みました。

オタリーナなどを描いた吉川景都さんの新作コミックエッセイ。

今回は「女医が教える 本当に気持ちのいいセックス」の著者である宋美玄さんの作品を原案にしています。

描いている内容は、日ごろの吉川景都作品とは多少趣が異なり、まじめなことも多い作品です。

産科医の話ですので、当然出産関連の話はもちろん、性生活の問題点、子育てに対する考え方、周囲の出産に関する誤解や思い込み等。さまざまな角度で出産をとらえています。

全体を通して語られているのは、安易な考えを持たないように、といったことです。

しかし、その反面、だからとして躊躇するのではなく、しっかりと知識をつけて対応していく必要があることを訴えているように思えます。

また、思い込みによる過ちが多く広まっており、その思い込みを無意識に実行、および発言することで、逆に妊婦を苦しめている現状も窺えます。

とりわけ、多くの人が行う可能性の高い帝王切開も、なぜか帝王切開をせずに産まないのはけしからん、というような風潮もあるようで。

そうした考えの偏りを、この本では正しています。

内容からして、当然女性向けではあるものの、男性が読むことによって、妊婦となる女性に対する心配りが可能になるでしょう。男女問わず、読んでもらいたいものです。